【ブギーポップは笑わない】アニメ化決定!①上遠野浩平と緒方剛志が与えた影響とは

ライトノベルに革命をもたらした作品がついに映像化


「漫才の歴史はダウンタウン以前か以後で分かれる」

という謳い文句を知っているだろうか――

M-1グランプリで松本人志が審査員席に就く際の煽りでナレーションされる文言なのだが

実はつい20年前ほど、電撃文庫に彗星のごとく現れた1冊の小説がある。

そちらにこの煽りは流用できるのだ。

ライトノベルの歴史はブギーポップ以前か以後かで分かれる。

【ブギーポップは笑わない】とは

著者:上遠野浩平

電撃ゲーム小説大賞(現:電撃小説大賞)第4回で大賞を受賞し、同作でデビュー。

ブギーポップは笑わない」はあくまで第1巻の主題及び副題で

以後は主要人物と時間軸を毎度換え同じ世界線の別の場面がオムニバス形式で展開し

それらを総称しておおよそ【ブギーポップシリーズ】と呼ばれる。

戦闘非戦闘に関わらず超常的な不思議なチカラをもった少年少女たちが

時に平穏を守るため時に己の欲望のままに対峙する

いわゆる”現代ファンタジー“(ローファンタジー)に属する世界観なのだが、

まさしく今の主戦場であるそれが氾濫した要因であり

それまでハイファンタジーが席巻していたラノベ業界にもたらした影響は計り知れない。

(まぁ今のラノベの主流は異世界召喚に移りつつはあるが。)

以下続刊、既刊21巻……ではあるのだが、

彼の著書すべてに何かしらの形で【ブギーポップ】シリーズの登場人物が絡んでいるので

関連商品を全て網羅したい!となると彼の著書すべてを蒐集しなくてはいけないことになる。

尤も、物量としては果てしないがそのどれもがドチャクソ面白いので損しないことは約束しよう。

作品から醸し出される雰囲気こそ別物だが基本的に彼の書く文章に難しい単語は少なく

ライトノベルらしい読みやすい文体なので抵抗も少ないはずだ。

中でもこの【ブギーポップ】は電撃文庫から発刊されていることもあって最も読みやすい。

言い回しが易しいとは言ってない

【笑わない】のみに関していえば、

物語の全容を最初のプロローグ部分ですべて一度説明してしまっているのがすごい。

各章ごとの主人公が違えば視点も違い、

読めば読むほど加速度的に組み上がっていくロジックが巧みであり

次々と頭の中で構築されていく理解から生じるエンドルフィンが半端ない。

脳汁出てる!とはまさしくこのこと。

その快感が忘れられなくて、または自分でも生み出そうとして

作家への門戸を叩いた者のなんと多いことか。


他にもミステリー文庫の【しずるさんシリーズ】は【ブギーポップ】以上にポップ。

挿絵(椋本夏夜、及び、国道12号)のせいで美少女作品とも取れるので

ラノベ購読層に訴求しやすいはずだ。

個人的には【ナイトウォッチシリーズ】もかなり好きなのだがSF色が強く多少難解で

【事件シリーズ】はファンタジー×ミステリーで読後感が独特。

とにかく、

ノベルゲームの常識を覆したのが【Ever17】なら

PCゲームの規格を変えた【Kanon/Air】。

つまりはラノベ界のダウンタウン、音楽で言うとこの小室哲也!的な!

それが【ブギーポップは笑わない】という作品なのである。

挿絵:緒方剛志

また、イラストレーターの緒方剛志の存在感も無視できない。

一見すると平面的で特徴のない絵のようにも見える。

だが、どうだろう。

実際書店で彼の担当した作品を見ると一発で視界に入ってくる

CGの発達により精巧で繊細なイラストが増えていく中で

彼の作品は他との差別化という意味では群を抜いているのではないだろうか。

また、それは影の濃淡による効果が大きいと感じている。

キャラクターとしてはデフォルメ色の強いデザインだが

着彩の明暗がリアルなのである。

モノクロにしたときにそれは顕著になる。

カラーでは写実的ではないのに白黒のみになると一気に質量が浮き出てくるのだ。

そしてこの絵柄は普遍性があるので”嫌い”に認識されることが少ない。

方向性こそ違えど、貞本義行の評価のされ方と似ている気がする。

尚、最初アニメのキービジュアル見た時に「ダレ?」とは思ったが

良く考えたら原作からしてちょいちょい顔が違うので

多分これはアニメを見てるうちに慣れてくると思います。

(ニュースを記事にしたように見せかけてただの感想文になってね?)

(いつものことだし、まぁいいじゃん)

ブギーポップは笑わないHP

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